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特定技能制度

特定技能とは、2019年4月に新設された在留資格です。正確には、「特定技能1号」と「特定技能2号」と呼ばれる日本で職に就く事ができる在留資格です。

特定技能とは

今まで、外国人労働者を制度的に排除してきた日本の社会へ、法律を変えて、容認していく制度です。もちろん、新卒者を募集する様に、雇用できる訳では、ありません。種々の規制があります。 しかし、労働者不足に悩む多くの企業には、解決の緒となるかもしれません。まずは、その概要について、確認してみましょう。

在留資格と労働

在留資格は、日本国籍を持たない人が、日本に留まるための資格です。たとえ、観光目的でも、無期限で日本に居続けることはできません。入国の際に、例えば15日以内の短期滞在の在留資格が与えられます。このような資格では、もちろん、働くことが法律で禁止されています。在留資格は、留学生や難民など多種にわたり、その資格によって、制限は様々です。

特殊な技能、才能を持つ人がその関連の職業に就く為に、在留資格が取得できるのは、容易に理解できることですが、日本で単純労働ができる在留資格を取得することは、ほとんど、できませんでした。日本は、明治時代から戦前まで、まだ当時独立国だったハワイをはじめ、アメリカ合衆国、ペルー・ブラジルをはじめとする南米諸国などに、移民を送り続けてきました。第二次世界大戦後、復興を遂げ、一時はGNP世界第2位に達し、裕福な国となった日本ですが、移民の受け入れには、長年反対が大勢を占めていたようです。しかし、2017/3/21付日本経済新聞 朝刊の記事 「世論調査、賛否42%で真っ二つ」によると、賛否は拮抗し、さらに若年層を見ると、賛成が6割になっていると書かれています。

これまで、外国人が単純労働に就くには、留学生か、技能実習生になるしか、ありませんでした。近年、どちらも、単に外国人労働者の供給源となり、問題が顕在化しています。

技能実習の歪み

その一つ、外国人実習生制度は、開発途上国等への日本の国際貢献、国際強力の一環として、それらの国の若い人々を実習生として日本に招き、技術/技能/知識を習得してもらうものです。本来、帰国後に母国の産業界の発展に寄与できるよう創設された制度で、日本の労働力を補完する目的はありませんでした。もともと、海外進出した日本企業の現地法人から、現地社員を日本に招き、研修を受けさせていたのが始まりです。

1981年には、「研修」という在留資格ができます。その後、日本経済は、バブル期にはいり、いわゆる「3K作業」(きつい、汚い、危険)に日本人の若者が就かない為に、外国人労働者への需要が高まります。その後のデフレ期には、今度は、人件費の削減圧力などから、やはり需要が高まります。2008年には、この「研修」という在留資格での入国者数は10万人を超え(*1)ました。

企業単独型の場合は、自社の海外進出拠点の労働者を研修させるのなど一定の役割を果たしてきた一方、農家や中小企業には、敷居が高く、事務手続きや日本語教育などを組合などが主導する団体監理型の利用がされてきました。

その中で、悪質な仲介、斡旋業者による賃金不払い、サービス残業や、違法な低賃金など、当初の趣旨とは乖離した低賃金労働者としての扱いが増え、問題化します。これを改善するため2010年7月1日からいわゆる「改正法」(出入国管理及び難民認定法 及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国 管理に関する特例法の一部を改正する等の法律 )が施行されています。

改正法では、新たな在留資格「技能実習」が創設され、受け入れ側に労働基準法や最低賃金法等の労働関係法令上の遵守と技能実習を義務づけています。本来の趣旨が守られ、悪質は業者を排除される事が期待されました。

2011年の東日本大震災復興や2020年の東京オリンピックの需要に対し、少子化で人手不足が加速し、ますます、外国人労働者受け入れの気運が高まりました。しかし、この制度は、海外からは人身売買*2と批判されてきました。

そこで、在留期間を延長したり、監督機関を設置するなどの改善の為「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(技能実習法)が2016年11月28日に交付され、2017年11月1日に施行されました。

新しい法律では、これまで「出入国管理及び難民認定法」(入管法)を中心に実施されてきた制度を改め、新設された外国人技能実習機構により、不良・不正な送出機関・管理団体を排除し、適切な技能実習の実施を目指しています。

しかし、問題の顕在化と労働力需要の拡大がさらに進み、新たな在留資格の制定となったのです。

制定の経緯

法務省は新制度制定の経緯について、 「社保審-介護給付費分科会 第169回(H31.3.6) 資料2 ”新たな在留資格「特定技能」について”の中で、「新たな外国人材受入れに関する経緯・背景」として詳しく説明しています。

下記はその要約です。

  • 2017年06月09日 閣議決定で、外国人材受入れについて、検討開始が決まる
  • 2018年02月20日 経済財政諮問会議での総理大臣指示は、 以下のようであった。
    ・「専門的・技術的な外国人受入れ..」
    ・「在留期間の上限を設定し、家族の帯同は基本的に認めない...」
  • 2018年02月23日〜5月29日  局長級の会議(タスクフォース)が2回、課長級で構成する幹事会が8回開催された
  • 2018年06月15日 閣議決定「経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太の方針)」では、下記のようになった。
    ・「...即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく...」
    ・「...移民政策とは異なるものとして、外国人材の受入れを拡大する...」
    ・「...新たな在留資格を創設する。」
  • 2018年07月24日 「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」が開催された。

最初は、移民反対派を意識して専門的な職業での受け入れと制限的であったものが、人材不足の補充が急務となっていく様子が垣間見れます。

法律の改正

「出入国管理及び難民認定法」には、次のような改正が行われました。

1.在留資格の創設
  • 不足する人材の確保の為に、就労を目的とした在留資格ができました。
  • さらに、在留期間の上限がなく、家族にも在留資格が認められる事も可能になりました。
2.受入れ業種・分野
  • 業種や分野は政府によって、定められ、運用方針が設けられる。
  • 例えば、高い日本語能力や、業種毎の資格試験が課せられる。
  • 受け入れの一時停止についても規定が設けられた。
3.外国人材への支援
  • 受け入れ側には、職業上、日常生活上又は社会生活上の支援義務が課せられ、基準適合が必要となった。
  • ただし、登録支援機関に支援を委託すれば、基準適合したと認められる。
4.在留管理
  • 受け入れ側は雇用契約締結が求められる。
  • 外国人が受け入れ側(雇用主)を変更したり、手続・罰則等も規定された。

引用

*1 技能実習生の入国・在留管理に関する指針 (平成25年12月改訂) 法務省
*2 Trafficking in Persons Report 2013, US Department of State